『イロハ歌の暗号』も、どこかカバラ的

イロハ歌の暗号も、どこかカバラ的

『イロハ歌の暗号』も、どこかカバラ的

以上のように、カバラというのは、それがユダヤ人の思想であるため、当然そこには古代ヘブライ語に基づく、こうした理解が必要となってくるのです。そして、ある民族の宗教的、思想的な基盤は言語にこそあるのだと考えます。

古代エジプトの宗教であれば、やはり神聖文字ヒエログリフにおける世界観を形成していたでしょうし、古代インド哲学では当時のサンスクリット語(梵語)に基づく理解が必要であったことでしょう。日本民族の場合も、その根底には大和言葉による世界観があるのです。

また言葉や文字に潜む神秘思想は、世界中どこの民族の間にもあるといえます。日本でのそれは「言霊思想」がよく知られています。また日本には「いろは歌」なるものもあります。

この「いろは歌」を漢字で表すと、「色は匂えど散りぬるを我が世誰ぞ常ならむ…」となり、これは仏教の『涅槃経』に出てくる「諸行無常、是正滅法…」の箇所を和訳したものだとも言われています。しかし、本当のところは分からないのだそうです。作者さえ不詳ということですから。(一般的には、あの弘法大師・空海の作であるとされていますが)

なんにしても、音の異なる47文字を一つも重複することなく、見事に一つの歌としています。「いろはにほへとちりぬるをわか…」と。さすがは「言霊の幸ふ国、日本」と呼ばれただけのことはあります。

言霊思想においては、47字ある「いろは文字」の1音1音が神であり、それぞれの音が力を秘めているとも信じられてきました。さらに、一説によると、「いろは歌」には暗号文が隠されているともいいます。(これにはいろいろなバージョンがあります)

そうした「いろは歌暗号説」の一つに、「いろは文字の中には、ユダヤの神やキリストが暗示されている(つまり、暗号で隠されている)」というものもありました。これはどういうことなのか、説明してみましょう。

いろは歌はそれを覚える際に、よく「イロハニホヘト、チリヌルヲワカ…」と7文字ずつに区切って読みますが、このように「いろは歌」を7文字ずつ縦に並べてみましょう。すると「いろはにほへと、ちりぬるをわか、よたれそつねな、らむういのおく、やまけふこえて、あさきゆめみし、えひもせす」となります。

そして、それぞれの行の上の文字、下の文字をつなげると、以下のようになることがわかります(これはノタリコン的手法です)。

エ ア ヤ ラ ヨ チ イ
ヒ サ マ ム タ リ ロ
モ キ ケ ウ レ ヌ ハ
セ ユ フ イ ソ ル ニ
   メ コ ノ ツ ヲ ホ
   ミ エ オ ネ ワ ヘ
ス シ テ ク ナ カ ト

まず、上の段を右から左に横に読んでいくと、「イチヨラヤアエ」となります。下の段では「トカナクテシス」となるでしょう。

この上の段の文字を、右から左に読んだ「いちよらやあえ」という文章が、古代ヘブライ語で読めるというのです。つまり、「イーシ・エル・ヤハウェ」(神ヤハウェの人→ つまりイエス・キリスト)のことだというわけです。

そして、下の段の文字をつなげた「とかなくてしす」という文章は、「とがなくてしす」(咎なくて死す)というキリストの死を示した歌だということです。というわけで、「神ヤハウェの人」であり、「咎がないのに死んだ人」であるのは、「イエス・キリスト」であることから、これはクリスチャン向けに当てられた暗号文だったというわけです。

それにしても、この「いろは歌の暗号」の手法は、あの『聖書の暗号』にも通じるものがあり、妙にカバラ的ではありませんか。空海は唐(当時の中国)で、カバラ思想を学んでいた可能性もあると私は考えています。

そうだとすれば、このような暗号もカバラ的知識で作成したことが想像できるのですが、はたして本当に、上のような暗号が彼によるものなのかどうか、それは何ともいえません。あるいは、これも文字上の、一種のシンクロニシティなのかもしれません。

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