縮められた言葉に託されたものは大きな願い
縮められた言葉に託されたものは大きな願い
次の、ノタリコンというのは、文章中の各単語(名前や語句)の最初の文字(あるいは最後の文字)どうしをつなげるなどして、そこから新しい言葉や文章を作り出す技法のことをいいます。
ちょうど現代でも、たとえば「世界保健機構」のことを「WHO」とか、「アメリカ合衆国」のことを「USA」などと略記したりしますが、それと似ているともいえるでしょう。
実際、ノタリコンという名前も、「速記」という意味のラテン語「ノタリウス」から来ているのです。では、ノタリコンの例として、どのようなものがあるのでしょうか。たとえば、ヘブライ語で以下のような文があります。
Atha Gadol(Gibor)Leolam Adonai(アター・ガドール(ギボール)・ルオーラム・アドーナーイ)
これを翻訳したものには、「アドナイは永遠に偉大である」とか「主よ、汝が業は永遠なり」などがあります。この文章のそれぞれの単語の頭文字だけをつなげてみると、「AGLA」となることが分かります。そして、これは神の名前の一つを意味しているという伝統的な解釈があるのです。
よく知られている「アーメン」という言葉も、実はノタリコンだと言われています。ヘブライ語で「Adonai Melef Neman」(アドーナーイ・メレフ・ネエマーン)という言葉があり、それには「主であり信仰厚き王」だとか「主、信義溢れる王よ」などの訳が当てられています。
この文章の頭文字が集まって、「Amen」というわけです(他に「Al Melef Neman」(アル・メレフ・ネエマーン)という説も)。しかし、「アーメン」の由来には他にも多くの説があり、定かではありません。
「アーメン」(AMN)自体は、ヘブライ語の辞書〔『現代ヘブライ語辞典』(キリスト聖書塾)〕では、「アーメン、然り、そうあれかし」と記されています。また、ギリシャ語で「イエスを讃える祈り」というのがありますが、それは次のとおり。
Iesos Xristos Theos Uios Soter
(Jesus Christ, the son of God, the Saviour)
(イエス、油塗られた者、神、子、救い主)
古典ギリシャ語の文字表記では次のように書きます。
Ιησου? χριστο? θεο? υιο? σωτηρ
(イェースース クリーストス セオス ヒュイオス ソーテール)
この言葉の場合は、「IXTHUS」(「Ιχθυ?」: 読みはイクトゥス、またはイクチュス)となり、これはギリシャ語で「魚」という意味になります。イエスの時代は春分点が魚座にあり、これはそのことを表しているといいます。
「魚」は一般にもキリストとキリスト教徒の象徴として用いられていたのです。またキリスト教徒は、バプテスマの水によって生きることからも、それが「魚」で示されたということです。イエス自身もよく「魚」に関連した比喩を弟子に対して用いていました。たとえば、イエスが弟子のシモンに対して語った言葉に、「あなたがたを人間をとらえる漁師にしよう」というものがありました。
ところで、この文章はより現代的に「Iesous Christos Theos Huios Soter」と綴られることもあり、その場合は「ICHTHUS」(イクトゥス)となります。







